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いびきで病院へ。何科を受診?睡眠時無呼吸症候群の検査・費用も解説

コラム

最近、家族からいびきの大きさを指摘された、あるいはしっかり寝ているはずなのに日中に強い眠気やだるさがあるといったお悩みはありませんか。いびきは単なる睡眠中の癖ではなく、背景に睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れているサインかもしれません。本記事では、いびきの受診に適した診療科や、疑われる病気のセルフチェック、病院での検査・治療の流れ、費用の目安について詳しく解説します。

そのいびき、病気のサインかも?放置するリスクと受診の目安

睡眠中にかくいびきは本人には自覚しづらいものですが、家族から指摘されて初めて気付くことも珍しくありません。いびきは空気の通り道である気道が狭くなり、空気が通る際に粘膜が振動することで発生します。単なる疲れや一時的な飲酒によるものであれば問題ありませんが、毎晩のように大きないびきをかいていたり、睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたりする場合は、背景に睡眠時無呼吸症候群などの病気が潜んでいる可能性があります。

いびきを放置すると睡眠が何度も中断され、深いノンレム睡眠などの睡眠が不足してしまいます。その結果、日中の強い眠気や集中力の低下を招き、仕事でのミスや思わぬ事故につながるリスクが高まります。さらに、睡眠中の低酸素状態が体に持続的な負荷をかけるため、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の発症を招いたり、重度の場合は心疾患や脳血管障害などの合併症を引き起こしたりする危険性もあります。以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

  1. 家族からいびきの大きさや、睡眠中に呼吸が止まっていることを指摘された
  2. 十分な睡眠時間を取っているはずなのに、朝起きた時にすっきりとしない、または頭痛がする
  3. 日中に強い眠気やだるさがあり、集中力が続かない

いびきや睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すればいい?

いびきの治療や睡眠時無呼吸症候群の疑いで病院に行こうと考えた際、どの診療科を受診すればよいか迷う方も多いでしょう。いびきや睡眠時無呼吸症候群に関連する診療科は複数あり、それぞれの特徴や強みを知ることで、ご自身の症状に合わせた適切な診療科を選択しやすくなります。

耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科は、呼吸の通り道である鼻や喉の専門家です。いびきや無呼吸の原因が、鼻づまり、あるいは口蓋扁桃やアデノイドの肥大など、物理的な気道の閉塞にある場合に適しています。喉や鼻の状態を直接カメラなどで観察し、構造的な問題の有無を的確に診断できるのが特徴です。

呼吸器内科

呼吸器内科は、肺や気管支、気道といった呼吸に関する疾患を専門に扱う診療科です。睡眠時無呼吸症候群は呼吸の異常を伴う疾患であるため、多くの呼吸器内科で精密な検査や治療が行われています。特に、呼吸のコントロールや、持続陽圧呼吸(CPAP)療法などの専門的な治療管理において、深い知識と経験を持つ医師による診療が受けられます。

循環器内科

循環器内科は、心臓や血管の疾患を専門とする診療科です。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や心不全、不整脈、虚血性心疾患といった循環器系の病気と密接に関連していることが知られています。すでに高血圧や不整脈などの持病がある方や、心臓への負担が懸念される場合は、循環器内科での受診や他科との連携が重要となります。

睡眠外来・いびき外来

医療機関によっては、睡眠外来やいびき外来といった専門の外来を設けているところもあります。これらは複数の診療科の専門医が連携し、睡眠に特化した総合的なアプローチを行う専門外来です。いびきや無呼吸だけでなく、睡眠にまつわる様々なトラブルを一つの窓口で相談・治療できる利点があります。

まずはかかりつけ医への相談も選択肢に

どこに行けばいいか決められない場合や、近くに専門の外来がない場合は、まずは身近なかかりつけ医に相談するのも一つの有効な選択肢です。かかりつけ医による初診の後、必要に応じて適切な専門医療機関や検査施設を紹介してもらうことができます。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も無呼吸(10秒以上呼吸が停止する状態)や低呼吸(呼吸の大きさが通常の半分以下に低下する状態)を繰り返す病気です。医学的には、睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数を示す無呼吸低呼吸指数(AHI)が5回以上であり、かつ日中の眠気などの症状を伴う場合に診断されます。多くの場合は気道が極端に狭くなる、あるいは完全に塞がることで発生します。

自分でできる!睡眠時無呼吸症候群セルフチェック

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中に症状が現れるため、自分一人では気づきにくいのが特徴です。日中の様子や睡眠後の体調から、ご自身の状態をチェックしてみましょう。世界的に用いられている簡易的な眠気尺度としてエプワース眠気尺度問診票などがありますが、以下のような項目に複数当てはまる場合は注意が必要です。

  1. 座って静かに話している時や、読書中、テレビを見ている時などに強い眠気を感じる
  2. 車を運転して赤信号で停車している時など、少しの間でも居眠りをしてしまいそうになる
  3. 夜間に何度も目が覚めて、トイレに行く回数が増えた
  4. 朝起きた瞬間に口や喉がひどく渇いている
  5. 日中に強い疲労感や倦怠感が残り、体が重く感じる

睡眠時無呼吸症候群の主な症状

主な症状として、睡眠中の激しいいびき、いびきが途中で止まるといった無呼吸のほか、中途覚醒があります。また、起床時の症状としては、すっきりと起きられない、頭痛がする、口が渇いているといった不快感が挙げられます。日中には、我慢できないほどの強い眠気、持続的な疲労感や倦怠感、集中力の低下、注意散漫、イライラ感などが現れます。患者が自ら無呼吸に気付くことは稀で、自覚症状があっても重症度との関連性は低いことが特徴です。

睡眠時無呼吸症候群の主な原因

睡眠中に気道が閉塞する主な原因には、以下のようなものが挙げられます。

  1. 肥満:首や喉の周りに脂肪がつくことで、気道が圧迫されて狭くなります。
  2. 骨格の特徴:日本人はやせ型であっても顎が小さい方が多く、舌の根元が下がりやすいため、気道が塞がりやすい傾向があります。
  3. 口・喉の構造:扁桃腺やアデノイドの肥大、舌や軟口蓋(口の奥の柔らかい部分)が肉厚であることなどが原因となります。
  4. 鼻づまり:鼻づまりによる口呼吸は気道をさらに狭くさせ、症状を悪化させる一因になります。また、加齢に伴う筋肉の弛緩や、閉経後の女性ホルモンの変化も影響します。

放置は危険!睡眠時無呼吸症候群が引き起こす合併症

睡眠中に何度も無呼吸や低呼吸を繰り返すと、体は低酸素状態に陥ります。この状態が全身に負担をかけることで動脈硬化が進行し、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の発症リスクが高まります。さらに、重度になると心疾患、脳梗塞などの脳血管障害につながり、最悪の場合は突然死に至ることもあります。また、睡眠不足はうつ病をはじめとする様々な精神疾患との関連性も認められているため、早期の発見と対策が極めて重要です。

病院での検査の流れ|診断までのステップ

いびきの原因を特定し、適切な方針を立てるためには、医療機関での検査が必要です。受診から診断に至るまでの一般的なステップを説明します。

ステップ1:問診と診察

初診では、医師による問診と診察が行われます。いびきの状況や日中の眠気の強さ、生活習慣、既往歴について詳しく確認されます。ご自身だけでなく、家族から指摘されたいびきの様子や呼吸が止まっている時間などの情報を事前にメモしておくと、スムーズな診察につながります。また、喉や鼻の構造的な異常を確認するための診察も行われます。

ステップ2:自宅でできる簡易検査

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは自宅で行える簡易検査が処方されることが一般的です。医療機関から送付される、または直接受け取った検査機器を自宅に持ち帰り、就寝時に装着して測定します。この検査では、睡眠中の呼吸状態と血中酸素飽和度を測定し、無呼吸や低呼吸の有無を判定します。手の指先や鼻の下にセンサーを取り付ける比較的簡単な検査です。

ステップ3:精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査/PSG検査)

簡易検査の結果、より詳細な評価が必要と判断された場合には、終夜睡眠ポリグラフィー検査と呼ばれる精密検査が行われます。この検査は、睡眠専門の医療機関での1泊程度の入院で実施されるのが一般的です。頭部や顔面、胸部などにセンサーを取り付け、睡眠中の脳波、呼吸、血中酸素、睡眠時の姿勢などを総合的に記録します。これにより、睡眠の深さや睡眠の質まで詳しく解析することができます。

ステップ4:検査結果の通知と診断

各種検査で得られたデータを医師が解析し、最終的な診断を下します。診断にあたっては、1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数を示す無呼吸低呼吸指数(AHI)が基準として用いられます。

  1. AHIが5未満:正常
  2. AHIが5以上15未満:軽症
  3. AHIが15以上30未満:中等症
  4. AHIが30以上:重症

この重症度の判定や自覚症状、合併症の有無などを総合的に考慮し、適した治療方針が提案されます。

睡眠時無呼吸症候群の主な治療法

睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、重症度や原因に合わせていくつかの治療法が検討されます。

CPAP(シーパップ)療法

CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸)療法は、中等症から重症の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対する、現時点での主たる治療法です。睡眠中に鼻に装着した専用のマスクから、気道内に適切な空気を送り込み、閉塞した気道を押し広げて呼吸をスムーズにします。睡眠中の無呼吸やいびきが軽減し、質の良い睡眠が取れるようになることで目覚めもすっきりします。重症例では、CPAP療法を行わなかった場合と比べて生命予後(生存率)が改善するとの観察研究の報告もあります。

マウスピース(口腔内装置)

主に軽症から中等症、またはCPAP治療が難しい方を対象に行われるのが、専用のマウスピース(口腔内装置)を用いた治療です。この治療では、下顎を少し前に出した状態で固定するオーダーメイドのマウスピースを就寝時に装着します。これにより、舌の根元が喉に沈み込むのを防ぎ、気道を塞ぐのを防いで呼吸をスムーズにします。医療保険適用での作製が可能です。

外科手術(レーザー治療など)

気道を塞ぐ物理的な原因がはっきりしている場合、外科的手術が選択されることがあります。例えば、小児の睡眠時無呼吸症候群においてアデノイド肥大や口蓋扁桃肥大が認められる場合には、これらを摘出する手術によって症状の緩和が期待できます。成人の場合でも、鼻づまりを解消する鼻中隔の手術や、喉の奥の余分な粘膜を取り除くレーザー治療などの手術が検討されることがあります。

生活習慣の改善も重要

医療機関での治療と並行して、日々の生活習慣を見直すことも非常に重要です。

  1. 減量:肥満傾向にある方は、体重をコントロールして首回りの脂肪を減らすことで、気道の閉塞を緩和できます。
  2. 寝姿勢の工夫:仰向けに寝ると重力で舌が下がりやすくなるため、横向きに寝る習慣をつけると、いびきが軽減することがあります。
  3. 禁酒・減酒:アルコールは全身の筋肉を緩め、喉の周りの筋肉も弛緩させるため、いびきや無呼吸を悪化させます。特に就寝前の飲酒を控えることが賢明です。

検査や治療にかかる費用の目安【保険適用】

睡眠時無呼吸症候群の検査や治療は、一定の基準を満たすことで健康保険が適用されます。受診される際の費用の目安を解説します。

検査にかかる費用

検査にかかる費用は、実施する検査の種類や入院の有無によって異なります。3割負担の方の場合の一般的な自己負担額の目安は以下の通りです。

  1. 簡易検査:3割負担の場合、数千円程度が目安となります。
  2. 精密検査(PSG検査):1泊入院を伴う場合、3割負担で約2万円〜5万円程度が目安となります(個室代や入院環境によって異なります)。

正確な費用は検査内容や医療機関によって異なるため、事前に受診される医療機関へご確認ください。

治療にかかる費用(CPAP・マウスピース)

治療にかかる主な費用の目安は以下の通りです。

  1. CPAP療法:健康保険適用の場合、毎月の定期受診と機器のレンタル料を含めて、3割負担の方でおよそ数千円程度の自己負担が毎月発生します。保険適用を維持するためには、月に1回の定期受診が必要です。
  2. マウスピース:医師の紹介によって保険適用で作製する場合、3割負担で数千円から1万数千円程度が目安となります。

自由診療(全額自己負担)による治療や、特殊な装置を使用する場合の費用は医療機関によって異なります。事前に医療機関へご確認ください。

まとめ:気になるいびきは早めに医療機関へ相談を

いびきは単なる寝ているときの音として見過ごされがちですが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)といった全身の健康に関わる病気が背景に潜んでいる可能性があります。適切な検査を受け、原因に合わせた治療や生活習慣の改善を行うことで、日中の眠気や疲労感が軽減し、将来的な重篤な合併症を予防することにもつながります。

家族にいびきや無呼吸を指摘された方、またはご自身で日中の眠気や目覚めの悪さを感じている方は、放置せずに耳鼻咽喉科や呼吸器内科、睡眠外来などの信頼できる医療機関へ早めに相談してみましょう。しっかりとした睡眠環境を取り戻すことは、ご自身の健康だけでなく、共に暮らすご家族の安心やより良い生活の第一歩となります。

本記事は一般的な情報の提供を目的としています。詳しい診療内容・費用に関しては当サイトのページをご参照ください

医師情報 / DOCTOR
川越ひさいクリニック 院長 久井 宏真

川越ひさいクリニック
院長

久井 宏真

プロフィール

  • 出身医学部:大阪大学医学部
  • 出身地:兵庫県
  • 趣味:ウエイトリフティング

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